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授業が始まって、ノートに書き留める。途中でペンを持つ手が止まって夏美のことを考える。今日は一日中ずっとその調子だった。
きっとこれからもそんな調子で毎日が過ぎ去っていくのだろう。
放課後の下駄箱。靴を履いて外に出ると奈緒が待っていた。
「途中まで一緒に帰ろ?」
「いいよ。」
僕達は並んで歩いた。
「さっき夏美からメッセージが来て『ごめんね、元気でやってるよ。俊くんの面倒見てあげてね。』って言ってたよ。」
「そっかそっか。大きなお世話だなー。」
「夏美らしくていいじゃない。」
「まぁね。らしいっちゃらしい。」
今、ここにいない夏美を想って僕と奈緒は笑った。
「ところでさ…。」
「ん?」
奈緒は改まった様子で言葉を発した。
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