プロローグ 真幸

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 半年前の秋。  緊張した面持ちで真幸(まさき)は一人待ち人を待っていた。  放課後の教室で誰もいない。  いるのは真幸。  それとこれから来るはずの相手、一実だけだった。  外からは部活動をする人たちの掛け声が響いている。  窓から注ぐ光はグラウンドだけではなく、教室を赤く染めていた。  緊張からなのか、真幸は  「ふぅ…」  とため息を一つつく。
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