16人が本棚に入れています
本棚に追加
/204ページ
真幸がため息をついた途端、ガラリと教室の扉が開く音がした。
真幸は驚き、そちらへと振り向く。
振り向くと、待っていた相手、一実が立っていた。
やってきた一実は真幸を見とめると、
「よう」
と短く言って、挨拶をする。
一実の挨拶に真幸は小さく会釈で返事をした。
扉を閉め、一実は教室の中に入っていきながら、
「どうかした?」
と言って、聞く。
聞かれた真幸はためらいがちに
「え、えっと…」
と言い淀んだ。
真幸が言葉を選んでいる間にも一実は数歩歩いて行き、真幸の少し前で足を止めて、立ち止まる。
最初のコメントを投稿しよう!