プロローグ 真幸

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 真幸がため息をついた途端、ガラリと教室の扉が開く音がした。  真幸は驚き、そちらへと振り向く。  振り向くと、待っていた相手、一実(かずみ)が立っていた。  やってきた一実は真幸を見とめると、  「よう」  と短く言って、挨拶をする。  一実の挨拶に真幸は小さく会釈で返事をした。  扉を閉め、一実は教室の中に入っていきながら、  「どうかした?」  と言って、聞く。  聞かれた真幸はためらいがちに  「え、えっと…」  と言い淀んだ。  真幸が言葉を選んでいる間にも一実は数歩歩いて行き、真幸の少し前で足を止めて、立ち止まる。
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