4.ヘルプレスネス~however,go~

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風の冷たさも、ほぼ航が盾になって実那都をまともに襲うことはない。 安定した足もとも風よけの盾も、実那都にとって航そのものに感じた。 実那都は声が届くように少し身をかがめる。 「航、航は役に立つとかそういうんじゃない。それ云うんだったら、わたしのほうが役に立ててない感じ」 「役になんて立たなくていい。好きってそういう気持ちから生まれるもんじゃねぇだろ」 「じゃあ、どういう気持ちから生まれるの?」 「そんなの、わかるかよ」 航が吐き捨てるように、あるいは投げやりに云うと、実那都はくすくすと笑った。 「わたしも航とおんなじ。一緒にいて、航はそれだけで力になってくれてるよ。航が好きだから。大好きだから」 「うわっ」 「きゃっ」 自転車が揺れ、実那都はとっさに航にしがみついた。
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