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航は苦虫を噛み潰したような顔つきになった。
「ちっ。ムカつく奴」
「意味ないだろ、ケンカもオンナも?」
「意味ないって……意味づける必要ないだろ?」
「おれはもうオンナに奉仕活動する気ない」
「んじゃ、ラストだ」
「いいけど……」
と云いながら祐真は実那都へと正面向いた。
「実那都ちゃん、実那都ちゃんも一緒に行こうな」
いきなりファーストネームで呼ばれた。
さながら、捨て猫をなだめるような、にっこりとした笑顔が向けられる。
意味不明の会話にぽかんとしていると、立ちあがった祐真からいきなり腕を取られ、実那都の腰が浮いた。
事の成り行きがさっぱりわからない。
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