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もともと後ろを振り向きかけていた神瀬祐真は、声のしたほうから飛んできた小箱を瞬間的に受けとった。
箱がカラカラと音を立てる。
「なんだよ、これ」
祐真は眉をひそめ、投げつけた航を見やった。
「バースデープレゼントだとさ」
「誕生日は昨日だし、いらねぇよ」
祐真は航に投げ返した。
実那都の横を通りながら航は軽々と片手で受けとった。
「冷てぇな」
「おまえが軟派なだけだろ」
「おまえがいらねぇんならおれがもらっとこうか?」
「いいんじゃね?」
素っ気ない祐真の答えに、航は呆れたように首を傾けた。
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