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彼らに目を向けていたのだから視線を感じてもおかしくはない。
実那都は無意識に躰を引いた。
それで避けられるはずもなく、目と目が合う。
航は、パッと見、その口調の印象が強すぎて厳ついイメージだ。
これまで“パッと見”くらいしかできていない実那都は、その印象の影響を多大に受けて観察する余裕もなかった。
いままともに目が合って、意外と――と思い始めた刹那、航の口もとに目が行ってしまうほど、その片方の口角が吊りあがった。
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