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「祐真、西崎が文句云いたいらしい」
航は実那都の目を捕らえたまま云った。
そのニタニタした顔は意地悪そうだ。
同じクラスになったのははじめてで、名を憶えられていたことに驚きながら、実那都は首を横に振った。
「わ、わたしはべつに…」
否定しかけると祐真が実那都を一瞥する。
そのしぐさで言葉を封じられて最後まで云えなかった。
航と同じようににやりとすると、祐真は席を立ってゆっくりと近づいてくる。
その姿が航を隠すほど視界にいっぱいになると、祐真は実那都の前の席から椅子を引きだし、跨って座った。
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