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近くですれ違ったことはあっても、こんなに近い距離で祐真と面と向かったことはなく、実那都は反射的にびっくり眼の顔を引く。
「おい、祐真……」
「いいこと、教えようか」
航が呼びかけているのをさえぎり、祐真は首を傾けて実那都に話しかける。
「……え……」
祐真はいつも冷めた目でいて、その端整な顔立ちまでも冷たくして近寄りがたい。
笑っていてもばか騒ぎしていても、友だちと話していても、どこか一歩退いて眺めている。
実那都はそんな印象を持っていたけれど、いま見返す目はめずらしくちょっとだけ温かい。
祐真はふと実那都から視線を外すと、挑発するように背後の航を流し目で見やり、また実那都に戻した。
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