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「あーなんで余計なことを言っちゃったんだろう」
自分の部屋で一人になったときに後悔が押し寄せた。
最初から私には勝ち目はなかった。藤島くんはずっと元カノのことが好きだったんだから。
人形を抱きしめると涙が出てきた。泣きすぎると赤く腫れて大変な状態になるから、もう泣くのをやめなくちゃと思うのに止まらない。
円満で別れることにはなったけれど、やっぱり辛い。
藤島くんが弱ったところに付き合おうと言ったから罰が当たったんだ、きっと。
泣いて泣いて、心の中が空っぽになるような気がしてすっきりした。
「……今度は、私を幸せにしてくれるような、素敵な彼氏を見つけるんだ」
失敗を糧にして次へ進むんだ、絶対に。
人形をそっとベッドの横へ戻した。
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