デート

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デート

 藤島くんの部活動のない日に、放課後デートをするようになった。 「ここだよ! 美味しいクレープのあるお店!」  カフェ風の作りで観葉植物が目に鮮やかなお店だった。  店内はカップルが多くて、女友達と行くような雰囲気ではなかった。  「そういえば……元カノも気になるって言ってたな」  懐かしむような顔だった。私には見せることのなかった顔。 「あーごめん。元カノの話なんて嫌だったよね?」  私が黙ってしまったのを見て、藤島くんは慌てたように言った。 「言いたいことは言っちゃった方がスッキリするよ? 私になら何でも言ってよ」  私は安心させるように微笑んだ。藤島くんはホッとしたような表情になった。  元カノの話なんてもちろん嫌だったけれど、嫌われたくなくていい子のふりをしてしまう。
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