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ぼっち、ではない。孤高……とも、違う。
クラスでは物静かで、群れる事が苦手な人だと理解されていた。
聞かれればそつなく答え、分からない事は分からないと嘘を吐かない人柄。
初見の剥き出しの刃でも握っている様な冷たい雰囲気は今こそ薄れたものの、彼女は何処か異質で、それ故に入学時は嘘だと分かる中学時代の武勇伝も面白おかしく流れていた。
ヒリ付いた空気の中、答えた二宮は机の周りに群れる女の子達を見ている。
「……でも、そうしないと学校辞めちゃわないとならないんだよ」
「あの子は悪くないんだよ」
心配と同情を滲ませた台詞に、どこがと小さな呟きが漏れ聞こえたのは気の所為か。
了解の上での行為。そこに危険が付き物だと年頃ならば知っている。
それを上回る快楽とスリルと興味。ごっちゃになった本能と理性に、何よりも勝る自分は相手にとって特別だと思い込む感情。
思春期ならではの最も強い衝動が有ったのは違いないだろうけど。
恋と愛。
否、性欲と情愛か。
動物的本能に押し負けたのはどちらか。
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