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確かアルバイトを探していて、拾ったチラシを見て、一〇〇〇万という怪しすぎる時給にまんまとつられ、話を聞きに行ったらそのまま面接に突入し、怪しすぎる職員たちと出会い、まずは試しに見学していて――現在に至る。
後悔していた。
むしろ後悔しかしていない。
身を以って体験した。
これが『後悔先に立たず』だった。
「おねえちゃんをいじめたらだめ!」
ただただ立ち尽くしている葉子の前に、なんと小紅が割って入った。思わず目を丸くしてしまう。どうして逃げていないのか。
「ああン?」
ミノタウロスは息を荒げたまま、あまりに小さい少女を見下ろす。
「ふーッ。ここはガキがくる場所じゃねえぞ」
「いじめたらだめ!」
少女は震えていた。
目頭に涙すら浮かべている。
大人の人外ですら一目散に逃げてしまうようなミノタウロスに、小さな少女は立ち向かっている。怖いに決まっている。怖くないわけがない。それでも勇気を振り絞って葉子を助けようとしているのだ。
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