第二話 化け物たちが夢の跡

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 ここでふとした疑問が浮ぶ。 「水飴さんはペンダントをしないのですか?」 「いやー。なんか人間の身体って不便でさー」  化け物は不思議な効力を持つ首飾りをすることによって人間の姿に変身できる。日々の人間世界で生きるためには必要なものなのだが、そういえば水飴と初対面のときも彼女はスライムだった。不便、というのが人間の葉子にはいまいちわからない。 「だってさこの前、葉子ちゃん漏らしてたじゃない?」  ぎくり。 「ナ、ナンノコトデスカ」  この前とはミノタウロスと対峙したときのこと。誰にも見られていないと思ったし、見られる前に迅速に後処理したはずだったが漏れがあったのか。尿意だけに。やかましい。 「でもスライムの身体だと漏らしても、自分の身体の一部になるだけだから」 「さらっとすごいことをおっしゃいましたね!」  まさか。ということ今の水飴の液体ボディにも混じっているのか。それが。  静かに後退り、距離をとる葉子。 「それよりもこの前の葉子ちゃんすごかったねー」 「な、なにがでしょう」
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