第二話 化け物たちが夢の跡

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「なにがって。あのミノタウロス相手に怖気つかずに小紅ちゃんのこと守ってたじゃん。ほかのみんなも物陰からひっそり見てたの気付かなかった?」  全然気付かなかった。というか見ていたなら助けて欲しかった。 「ほらほらあたしたち化け物って人間に対してマイナスなイメージがあるからさ、初日は葉子ちゃんにいい気持ち抱いていないほうが多かったんだよ。でもミノタウロスから小紅ちゃんを守る姿に考え直したんじゃないかな?」  人間と化け物の関係については先日阪口から教えてもらった。だから冷たい目で見られていたこともわかったし、仕方ないとも思えた。  ただ先日の出来事がそこまで化け物たちに影響を与えていたなんて。全員とはいえないがこうやって少しずつ人間と化け物が分かり合えていくといいな、と願う。 「もともと人間社会で生きていこうって人ばかりだし、人間の葉子ちゃんからいろいろアドバイスだったり相談だったり話したいって人が結構いるかもね!」 「そうだと、いいですけど」  ここでふと思い出す。 「そういえば先日のミノタウロスさんはあのあとどうなったのでしょうか?」  あの騒動は阪口のKO勝ちで幕を閉じたが、あとのことは職員たちに任せっぱなしとなっており、ミノタウロスのその後は全く聞かされていない。もしかすると化け物が暮らす『異界』に強制送還されたのだろうか。
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