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「いちおう聞いておきますが、わたしになにを?」
「頼む教えてくれーーどうしたらパソコンは直る?」
「無理です。もう手遅れです」
「ちくしょうなんてこった!」
頭を抱え、膝をついて嘆く阪口に白い目を向ける葉子。
「そもそもどうして直そうと思ったんですか?」
「金がねえからだよ。どっかのアホがパソコンやら壁やらぶっ壊したせいで!」
「トドメを差したのは阪口さんですけどね」
ばつの悪そうに俯く阪口。パソコンは修復不可能な域に。施設の壁は応急処置としてダンボールを貼り付けて一時的に凌いでいる。そんな職安日本全国探してもここだけだ。
「用件がそれだけなら戻りますね」
「待て。オノ・ヨーコに頼みたいことはもうひとつある」
怪訝な顔で阪口を見る。どうせろくでもない頼みな気がしてならない。
「前に話したがおまえにしかできないことだ」
「はて。なんでしたっけ」
「ここの化け物たちに人間社会・人間生活もろもろを教える教鞭をとってほしい」
「わ、わたしにですか?」
「ほかに誰がいるんだよ」
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