第二話 化け物たちが夢の跡

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 気分は一転、最悪に。  どうしよう。なにを話せばいいのか。本やネット、これまで生きてきた経験談から独断と偏見で語るしかない。適当にそれらしい口調で言えば、なんとかなる。はず。  こうなれば腹を括るしかない。正解なんてものはないんだと自分自身に言い聞かせて。  正解がないなら、正解にすればいい。  そして場所は変わって施設内の一室。  化け物たちでぎゅうぎゅうとなった部屋の前方にある教壇で、一身に視線を浴びているのは葉子と阪口。もはや満員電車並みの混み具合に蒸し暑さと息苦しさを覚える。 「あの阪口さん……多くありませんか?」 「ああ。おれもこんなに来るとは思わなかった」  さすがの阪口も戸惑い、続けて紡ぐ。 「せいぜい来るのは暇な小紅くらいかと。まあ来なかったが」 「ひどい」  見通しが甘すぎる。聞きにくるのがいなければいないで寂しいが、これだけの人数が集まると逆にやりづらい。 「さてと。そろそろ時間だ」  マイクを片手に、阪口は一歩前に出る。
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