第二話 化け物たちが夢の跡

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「久々に疲れたわ。今日はもう仕事しねぇ」 「おれは何だかふっきれました。ぐたぐだ悩んでいたのが馬鹿らしいです」 「ふふ。それはなによりです」  夕暮れに沈む河川敷。  カラスが鳴いている。そろそろ帰る時間だ。  茜空を見上げていた黄熊がぽつりと呟く。 「……あのときのおれは、どうすれば正解だったんだろう」  怒りに身を任せてしまった後悔をしていた。それに対して阪口が何か言おうと口を開くが、言葉を遮ったのは驚くべきかな葉子だった。 「迷える黄熊さんにこの言葉を贈りましょう」  目を閉じ、立てた人差し指をくるくると回す。 「――正しい道を選ぶのではなく、選んだ道を正解にすればいいんです」  これで少しでも迷いが晴れれば、よいのだが。 「……そうですね。その通りかもしれません」  心配を他所に何か悟った黄熊。  もう大丈夫だ。
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