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「ご迷惑おかけしてすみませんでした。また一から頑張ってみようと思います」
そう言って黄熊はぺこりと頭を下げ、すでに動かなくなった川魚を拾って去っていく。
葉子と阪口は静かに夕日に向かって進んでいく勇敢な戦士の背中を見送った。
「さてと、おれたちもそろそろ帰るとするか」
「そうですね。皆さんもどうなったか心配しているでしょうし」
立ち上がり、服についた土を払う阪口。
ふと思ったことを口にする。
「そういやおまえも、たまにはいいことを言うんだな。感心したぜ」
「わたしを何だと思っているんですか」
ジト目で睨みつつ。
「あの台詞はネットで見つけたものです。わたしはそれを言っただけですから」
「……ひでぇなオイ、台無しじゃねーか」
こうして一日は終わりを迎えた。
その後、葉子によって洗脳された化け物たちは無事正気に戻ったそうだ。
残念。
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