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よく晴れた日のこと。
春浦市の職業安定所。いわゆる職安。一見するとどこにでもある施設なのだが、実際はこの世界で暮らす化け物専用の職業安定所だったりする。
葉子は施設前の掃き掃除をしていた。その近くには花壇に水やりをしている水飴がいる。
「今日も暑いねー」
いつもの彼女とは違う。まずきちんと首からペンダントをしている。そのため見た目が人間だ。人間体の彼女はとてもスポーティー。今日もたくさんの汗を流している。
「これからもっと暑くなると思うと気が滅入りますね」
「あたし暑いの苦手だから溶けちゃうかも」
春の陽気で溶けているのだからその心配はない。夏になったら跡形もなく溶けきってしまうのでは、という疑問が浮ぶもあまり深くは考えないことにした。
すると職安前にふたつの人影が現れる。
「こんにちは、お嬢さん方」
「こんにちはー!」
「え、あ、はい。こんにちは」
スーツを着た男性だった。
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