番外編 葉子、レポートを書く

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「さ、阪口さん」 「よせ、そんな目で見るな」  照れ隠しなのか目を逸らす阪口は、早速と言わんばかりに懐からあるものを取り出した。 「まずはこれを見てくれ」  手に握られているのはけん玉。 「はい?」 「驚くのはまだ早いぜ?」  得意げに微笑む阪口に対して、葉子は無表情で席を立つ。 「どこへ行く」 「帰ります」 「待て! これから見せるのは近所のガキどもに教えてもらった秘伝の技だぞ!」  必死に彼女を制止させようと試みる阪口だったが。 「阪口さんあなた、仕事もせずそんなことをしていたのですか?」 「そんな目で見るんじゃねぇ!」  ジト目で見つめる彼女に、彼は取り繕うようにけん玉を突き出す。 「いいか、この技を目にしたおまえは必ず感動を覚えるはずだ」
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