神のシステム

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神のシステム

 2077年、世界は激変した。  LF社が発表したライフプロトコルシステムによって。このシステムは人の一生の可能性を全て計算、予測しその人が1番世界に効率的に貢献出来る人生を答える。  ごみ拾いから政治家まで生まれた瞬間役割が決められる。世界の人々の多くはこれを受け入れた。 自分で自身を探さなくていい。 自分の1番の幸せを教えてくれる。 悩まず、楽に生きていける。 事実この考えは合っていた。自分自身を探すという人生最大の問題が解決され、与えられた仕事に没頭しさえすれば、何不自由なく暮らせるようになった。  2092年には「神のシステム」と呼ばれる様になっていたライフプロトコルシステムに1つの変化が現れた。   ワールドポイントの導入だ。  このポイントは世界に貢献出来ることを数値化したものだった。当然数値化が高い人は世界にとって重要な人物になるし優遇される。低い人は冷遇された。 そして、このポイントによって世界構造が新たに作られることとなった。大都市には「アッパー」と呼ばれる高ポイント所有者が住み、その周りを囲む様に低ポイント所有者が住む「アンダー」が成形された。 アッパーの人々は世界を取り仕切るために生き、アンダーはその生活を支える。  それはとても合理的な事だった。こうして世界は順調にルールに沿って回っていた。
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