第1章

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何も無い等という事等無い コト コト 混沌 とろみのある液体は不透明で もうすでに 熱と欲と業とが 湯だった鍋の中のようで醜い そして生々しい 原子か中性子かより 陰性イオンか陽性イオンか 遺伝子は一体何の為に電子をやり取りするのか パトスとタナトスはプログラミング済 下衆で下劣で不潔なピストンの摩擦による放出を愛と呼ぶのは相変わらず あーあ いーい うーう えーえ おーお 四億分の一の過当競争を繰り返した末 何の因果か魂畜生の着床 罪の発動までのタイムテーブル 罪の種 ギャーギャーオギャーと ギャー諦ギャー諦 波羅ギャー諦 下界が世界に変わり 最初に泣いたのは最期まで泣く為 母胎は記憶を残す前に早々の退散 生きる為には喰わねばの宿命 気が付けば置き屋の隣の小さな和室の万年蒲団 日常という名の暴力とネグレクト 飼い猫は親子仲良く死んで衣装箱に入れられた侭生ゴミの隣に放置 部屋中に描いたマジックの落書きは独り部屋にとり残された幼子の暇潰し 夜の訪問者は灯りを点けるとやって来る 灯りのない階段と父親の名前を呼ぶ声から隠れる子供 さやさや風の一斉にゆららぐ稲穂とか ほんと砂利道の水たまりのオタマジャクシとか アスファルトに蜃気楼とか アルマイトの鍋にお豆腐とか 米屋のおじちゃんがくれたチーズクラッカーとか ホント やんなる。 キュッキュ鳴る足取りの不協和音 空には入道雲と虹と透明な梯子と 宇宙の境目まで昇ってみれば… 陶器のうわぐすり程のオゾン層の中で 人間が熱と毒を排出する事を止めなかった
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