異世界へ

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異世界へ

時を刻む秒針は12時を過ぎ、日付が入れ替わった。 にもかかわらず目の前で現在進行中の企画書は纏め終わらない。既に同僚や後輩、先輩方は帰っており、広いオフィスには俺1人が取り残されている。 オフィスが広いだけにやけに寂しく感じる。それと同時に得たいの知れない開放感を感じる。 「デスクの上で下半身丸出しブリッジしてやろうか」 背徳感が凄まじいだろうなあ……。 そんな事を考える俺の精神状態は普通じゃない。 当たり前だ。ここ1週間の平均睡眠時間は3時間もないだろう。ショートスリーパーと呼ばれる人間なら事足りるだろうが、あいにくと俺は真逆のロングスリーパー。目の下に出来た隈は一昔前に流行ったパンダメイクみたいになっている。 椅子の上に体育座りして糖分摂取しても違和感のない見た目だろう。 何故俺がこんな目にあっているのか? もとより仕事が忙しいと言うのもあるが、それとは別に俺がミスをしたからだ。いや、あれは俺のミスと言っていいのか……。 何はともあれ、俺がこうなる原因は1週間前に遡る。 新しく新入社員が入り、会社内に新たな風が入る事で雰囲気が一変し、職場を包むムードも良いものへと変わっていた。     
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