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(ガドリニュウムは造影剤とか超電導体に使用される材料じゃなかったかな? 確か……そうだ、超電導磁石の材料だった様な気がするな。炭素皮膜、イリジュウム、ガドリニュウムか……?)
神崎は顎に手を当ててしばらく考え込んだ。そして、はっと思い付いた。
(これは、もしかして、カーボンナノチューブを利用した超電導半導体じゃないのか? だとすれば、このウエハの情報処理能力は最低でもシリコン半導体の一千倍以上はあるぞ。しかも、超電導でウエハ全体が一つの集積回路として動作するとなると、この一枚のウエハで現在の巨大なスーパーコンピューターを凌駕するのか? もしそうだとすれば半導体の歴史を覆してしまう程のスーパーモンスターウエハだ。このウエハを何枚か並列動作させれば宇宙の構造解析だって出来るに違いない!)
「すっげー、マジかよ! こんな代物をうちの会社に分析依頼してくるなんて!」
神崎は目を見開いてPCのモニター画面に表示された分光特性データーをじっと見つめた。
――しばらくして。
「よし、分析完了だ」
神崎が分析データーを技術管理サーバーに転送すると、PCのモニター画面に転送データーの情報が表示された。
《情報ランク:AAA》
《管理フォルダー名:シークレットナイトライド》
《管理データーナンバー:CN3600―Black―WF》
※AAAは厳秘。
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