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※シークレットナイトライドは、秘密の窒化物を意味する。
神崎が田町のPHSにもう一度電話を掛ける。
「はい、もしもし、田町さんのPHSです」
「あれっ、神崎ですが、田町はもう帰りましたか?」
「田町さんは、五分前位に退社されました」
田町のPHSに応答した人物は、田町ではなく別の事務員だった。
「あの、技術データーを事務所の技術管理サーバーに転送しましたので、記録してもらえますか?」
「えっ、記録ってどうしたらよろしいですか?」
「えーと、田町のデスクの上に赤いファイルが置いてあるんですけど、その中に作業記録表があります」
「あっ、ありました」
「それに記録してもらえますか?」
「はい、分かりました」
「名前の欄に《神崎》と書いて下さい。データーの登録時間は《午後八時十五分》です」
「はい」
「データーのファイル名は《CN3600ハイフンBlackハイフンWF》と記入して下さい」
「はい、記入しました」
「えーと、あともうひとつ、ファイル名の横に情報ランクと管理フォルダー名を記入して下さい」
「はい」
「情報ランクは《AAA》で、管理フォルダー名は《シークレットナイトライド》です」
「はい、神崎様、OKです」
「ありがとう」
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