第一章 シークレットナイトライド

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 ※シークレットナイトライドは、秘密の窒化物を意味する。  神崎が田町のPHSにもう一度電話を掛ける。 「はい、もしもし、田町さんのPHSです」 「あれっ、神崎ですが、田町はもう帰りましたか?」 「田町さんは、五分前位に退社されました」  田町のPHSに応答した人物は、田町ではなく別の事務員だった。 「あの、技術データーを事務所の技術管理サーバーに転送しましたので、記録してもらえますか?」 「えっ、記録ってどうしたらよろしいですか?」 「えーと、田町のデスクの上に赤いファイルが置いてあるんですけど、その中に作業記録表があります」 「あっ、ありました」 「それに記録してもらえますか?」 「はい、分かりました」 「名前の欄に《神崎》と書いて下さい。データーの登録時間は《午後八時十五分》です」 「はい」 「データーのファイル名は《CN3600ハイフンBlackハイフンWF》と記入して下さい」 「はい、記入しました」 「えーと、あともうひとつ、ファイル名の横に情報ランクと管理フォルダー名を記入して下さい」 「はい」 「情報ランクは《AAA》で、管理フォルダー名は《シークレットナイトライド》です」 「はい、神崎様、OKです」 「ありがとう」     
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