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「じゃーなんっすか!?」
神崎が田町に右手を小さく振ってごまかすと、田町はちょっと不服そうに神崎に尋ねた。
「まあいいじゃないか。それより、仕事! 仕事!」
神崎が自分のデスクに座って、業務記録の確認を始める。
(さて、二週間前からの業務か、これは大変だな。ウエハの構造解析が三件、熱応力評価が二件、接合評価が五件、ああ、こりゃ頭が痛いな)
神崎が頭を抱えて振り向くと、田町も頭を抱えてPCのモニター画面を睨んでいた。
――午前十時、情報システム部の担当者から田町のPHSに連絡が入った。
「はい、田町です」
「情報システム部の新庄です。技術サーバーのファイル復元が完了しました。それから直近二週間分のデーターは、ある程度の復元が可能でした。田町さんの方で確認してみて下さい。削除されたデータの九十パーセント位は復元出来ています。残り十パーセントのファイルは、物理記録領域に別のデーターが上書きされていて、復元出来ませんでした」
「ありがとう御座います。助かりました」
田町は情報システム部の担当者に礼を言うと、紙の記録表を確認して電子ファイルの検索を始めた。
「神崎さん、ファイルの復元リストです」
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