第四章 ハンカチの持主

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「おおっ、由香里ちゃん発見!」  金城は田町の姿を見つけると、大喜びでカウンター席に向かった。 「神崎、由香里ちゃんが来ているのなら電話してくれよ! 仕事を切り上げてもっと早く来たのに!」 「出た! 筋肉男!」  金城が神崎の席を通り過ぎて田町の隣の席に座ると、田町は金城を避けて神崎の腕を掴んだ。 「またまた、由香里ちゃん、照れちゃってさー」  金城が田町に顔を近づけて話し掛ける。 「神崎さん、この人ちょっと頭のネジ外れてる?」 「うん、たぶんね……」  神崎は首を縦に振って田町に答えた。 「由香里ちゃんは、冗談が上手いね。はははー」 「重症っすね!」  田町が呆れ顔で金城の顔を眺める。 「ところで神崎、早速だけどな、お前から預かった例のハンカチ、情報はバッチリ掴んだぜ!」  金城が真顔で神崎に話し掛ける。 「えっ、もう分かったのか? 昼休みに預けたばかりなのに?」 「当り前さ、俺はプロの探偵だぜ!」  神崎が驚いて金城に尋ねると、金城は神崎に自慢げに答えた。 「探偵って言うけど、お前、いつも浮気調査ばっかりやってるじゃないか、本当かよ?」 「おバカ! 由香里ちゃんの前で何を言ってるんだ! 俺のイメージが悪くなるだろう!」     
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