魔王と愉快な仲間達

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 元がモンスターだし、ゲームの中の存在だったんだから仕方ないのかもしれないけど、食事の作り方さえ知らない有様で、狩ってきた動物をそのまま食べようとしていた。  俺だって動物の捌き方なんて知らないけど、なんとか肉だけとって火に焼いたら、酷い味だった・・・・・・どうやら血抜きは必要らしい。  それなのに、皆は目を輝かせて食べるんだもんな。インベントリからまともな料理を出してやったら、感動で泣く奴さえいたし。  その他にも、裸でうろつく奴がいたり、喧嘩する奴がいたり、引きこもる奴がいたり。そんな感じで、もう・・・・・・。  ここが現実だと、ばっちり思い知らされたよ、本当に。 「木を切り倒した後は小さく切って薪にして・・・・・・あ、乾かさないといけなかったか。えーと、それから」 「ご主人様ー!」  ぶつぶつと呟いていると、突然上から声がして女の子が落ちてきた。 「うわっ」 「えへへ、ご主人様ー」  落ちてきた・・・・・・いや、頭上の木の枝から飛び降りてきたのは、キティだった。  十代後半の少女の姿で、やや吊り上がった瞳は琥珀色。ふわふわな短い髪は濃い茶色で、他の皆同様、かなりの美少女だ。  正体はケットシー。身軽なのも当然である。
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