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「キティ。マスターはお疲れなのです。離れなさい」
「えー」
俺が可愛い女の子にくっつかれてあたふたしてると、見かねたグレイが剥がしてくれた。
キティも頬を膨らませつつも素直に離れてくれる。そんなキティにグレイが尋ねた。
「それで、報告はどうしたのですか」
「あ、そーだった」
ぽん、と手を打ってキティは真面目な顔になる。
「えーと、この辺りには人の気配はなかったよ。動物はいろいろ。見たことないのが多いかなー。あと、なんかデカイのがいたよ」
「デカイの?」
「でっかいトカゲっぽい」
「ドラゴンか?」
俺はちょっと焦りながら尋ねた。
ゲームでは、ドラゴンは最強種だった。もちろん、種類や個体によって強さに違いはあるけど。
俺の問いに、キティはあっさりと首を振る。
「ううん。ホントにトカゲ。リューとは全然違ったよー」
「・・・・・・そっか」
キティの言葉にホッと胸をなで下ろす。
俺が育て上げた皆が弱いとは思わないけど、なにしろ異世界だからな。慎重にいかないと。
ちなみにリューとは俺が激戦の果てにテイムしたドラゴンで、ただいま絶賛引きこもり中である。
「倒れるぞ!」
会話が切れた瞬間、狙ったようにミノンの声が響き、続いて大木がまた一本重力に従って地面に倒れこんだ。
「あ、あの。ご主人様。まだ切り倒しますか・・・・・・?」
同時におどおどと尋ねてきたのは、ドライアドの香織だった。
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