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「いや、そろそろいいかな」
「そ、そうですか・・・・・・」
安堵したように微笑む彼女は、キティと同じ年頃の少女の姿をしている。
だが、健康的なキティとは違い、色白で儚げな容姿をしている。
髪の色は淡い茶色で目は鮮やかなグリーン。
植物のモンスターである彼女には、木を切り倒す際、周囲の木を動かしてもらい、空間を作ってもらっていた。
「ありがとな、香織。疲れてないか?」
「い、いえ。私なんかより、ミノンさんのほうが・・・・・・」
「あ、ミノンもありがとな」
「なんのこれしき。・・・・・・む?」
馬鹿デカイ斧を軽々と肩に担ぎながら近寄ってきたミノンがふと後ろを振り返る。
次の瞬間、俺はグレイに引き寄せられ、何かが目の前を通り過ぎた。
轟音。
爆発したかのように、背後の木が吹っ飛んだ。
「な、なんだ!?」
チッ、とグレイが舌打ちしてキティを見やる。
「キティ! あなた、後を付けられましたね!」
「あー・・・・・・、油断してたかも。てへ」
可愛いらしく舌を出すキティにも、何かが襲いかかる。
「危ない!」
「ご主人様、大丈夫だよー」
キティは軽やかな動きでそれをーー赤い、ゴムのような何かを避けた。
「むん!」
そこをミノンが気合い一声、斧で薙ぎ払う。
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