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赤いゴムが切り飛ばされて、鮮血が宙を舞った。
「ギシャアア!!」
同時に凄まじい鳴き声が響く。
「な、なんだ、あれ!?」
森の奥から出てきたのは、ダンプカーよりも大きな緑色のトカゲだった。
先ほどの赤いゴムは舌だったらしく、口から血を流し、ぎょろりとした目でこちらを睨みつけている。
「どうやら、キティが見たトカゲが彼女を追って来たようです。マスター、危険ですので、後ろへ」
「あ、ああ」
グレイに促され、俺は後ろに下がろうとした。しかし。
「キシャア!」
「おうわっ!?」
なんとトカゲは俺目がけて突進してきた。
グレイに再び引き寄せられ、事無きを得たが・・・・・・なんと、奴は俺を獲物と定めたのか、やたら狙ってくる。
その度、グレイに庇われたり、キティやミノンが攻撃したりしているけど、とにかくしつこいし、しぶとい。体力どんだけあるんだよ!
「くっそ、俺は元モンスターテイマーだから、ステータス低いんだぞ」
内心、一番弱いから狙われるんだろうなーとおもっていると、か細い声が聞こえた。
「・・・・・・ご主人様を」
見ると、一人離れた場所に居る香織が俯いてぷるぷる震えている。
あ、なんかヤバイ。
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