覚醒せし天才たる私の記録

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覚醒せし天才たる私の記録

 私はついに知ってしまった。  私は天才だったのだ。  一度は言ってみたかった、あの台詞を使う権利を手にしていたんだ。  既に成人を迎えて何年も経過した今、やっと知る事が出来たのだ。  あぁ、声を大にして言わせて頂こう。  自分の才能が怖い!  うむ。嘘も誇張も全くない、実に清々しく正しい言葉だ。  私が天才たる所以。  それは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()だ。  学校の教師のような言葉に聞こえるか?  上っ面の道徳観に支配された綺麗ごと?  いいや、これは()()()()()なのだ。  どれ、それに気がついた時の話をしてあげよう。  私は先日、とある仕事で出かける事になっていた。  良くある話だ。仕事の内容なんてなんだって良い。  朝、起きるのが少しだけ遅くなった。そして色々な仕度をするのも、いつもより少しだけ遅かった。もちろん、時間はギリギリだ。あぁ、もうこれは遅刻してもおかしくないな。私はそう思っていた。     
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