覚醒せし天才たる私の記録

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 ところが、私はちょっと気になってしまったのだ。  道路に、歩道に、そこら中にある白線。()()()()()()()()()()()()辿()()()()()()()()()()()()()()。そう考えてしまったのだ。  いいや、分かってる。分かってる。  時間に余裕が無い時にやるような事では無いし、小学生じゃあるまいし、そんな事に夢中になるような歳でも無ければ、日々そんな事をして生きて来た訳でも無いのだが、まぁやりたくなってしまったのだ。うずいてしまったのだ。  しかし、私は遅刻は避けたかった。それこそ、もう立派な大人だ。  どこの愚か者が遅刻の理由に、 「起きるのが少し遅くなった上に何となく仕度が遅れてしまって、その上、つい、白線だけを踏んで出勤して来てしまいました」  なんて言えるのだ。いや、言わなくても恥ずかしくてそんな真似出来やしない。  が、私はやってしまったのだ。  その上、なんとやり遂げてしまったのだ。     
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