51/56
前へ
/61ページ
次へ
日本へ一時帰宅する日、ライオネスさんが送ってくれた。 いつものように抱っこして。 うん、もう慣れた。 慣れたらいかんやつだけど、慣れたよ。 だって、私を見つける度に凄い勢いで駆け寄ってきて、有無を言わさず抱き上げるんだもの。 本気で嫌がれば止めてくれるんだろうけど、捨てられた仔犬のような眼差しで見つめられたら、拒否できないんだよね。 好きになったから、しょうがないかなって。 あの見えない階段も、獅子殿の胸に顔を埋めていればあっと言う間に到着なんですよ。 便利と言えば便利かな? 『モエー、やっぱり、俺も行く。 連れて行ってくれ。』 こう言って駄々をこねるのは想像してましたけどね。 『ライオネスくん、だから、キミはこの門、通れないでしょう? 俺の魔力の質と、キミの魔力の質が違うんだから。 直ぐに戻って来るからがまんしてよ。 そんなんだとモエーに嫌われるよ?』 『も、モエー!! 俺を捨てないでくれ! 我慢して待ってるからな!』 『あー、はいはい。』 何か、獅子殿、キャラ変わってませんかね? こんなになつかれると、ほだされてしまうわ。
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

132人が本棚に入れています
本棚に追加