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『ライオネスさん、お酒とおつまみどうぞ。』
子供たちをジローに託し、部屋で二人切りになった。
こんなの、いつ以来だろうか?
生まれてからは、子供たちが常に一緒にいた。
俺が仕事で居ない日はあったが、子供たちが居ない日は無かったな、と思い返す。
俺の血が入っているからか、病気ひとつせず、すくすく育ってくれている。
まだ変体はしないが、成長するにつれ、獣耳がちょこんと付いていて、尻尾も出てきた。
そろそろ、モエーの母親の所に里帰りしたいらしいが、この耳と尻尾をどう誤魔化そうか悩んでいるらしい。
俺は魔力の質が違うからって付いていけないのに、子供たちは行けるらしい(羨ましい)。
『先にモエーが食べたい。』
『私は、食べ物じゃありません!』
『モエー。
ずっと、モエーに触れてない。
ね、こっちに来て?』
『ま、まだ、寝る時間じゃないです。』
『モエコ、お願いだ。』
『ライオネスさん、ズルいです。
そんな顔されたら、断れないじゃないですか。』
ああ、モエコの香りにクラクラと酔いしれる。
久しぶりの二人切りの時間。
今はジローに感謝だな。
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