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雨上がりの殺人
※※※※※
ある雨上がりの日のことである。
※※※※※※※
雨上がりの殺人ほど難しいものはない。
なにしろ、被害者を庭先で撲殺しようものなら、
自分の足跡が残ってしまう。
それは望ましくない。
実際の殺人を行うにあたって、殺すと決めたのはいいにしろ、それがまさか雨の日とは。
だが、ミステリ好きの私のこと。
それに、この巨漢を活かしさえすれば……
※※※※※※※
「頼むぞ、相棒」
中庭に入っていく未来の被害者。
憎むべき標的。
それを見かけた瞬間、巨漢の男はもう1人に声をかける。
かけられた方はこくりと、うなずいて
「はあっ」
巨漢の片腕に、軽い切り傷をつけた……
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