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大人たちは口を揃えて言うだろう
こんな大切な学生の時期になにをしてるんだ、部活くらいやったらどうだ、などと
入学してから1ヶ月が経とうとしている今日この頃、部活をやってないからといって放課後に友達と遊ぶ訳でもない、よく見るアニメなどでは高校生活をなんやかんやで謳歌しているハーレムな主人公がいたりするが現実でそんなことはまずない
「部活くらい入ったらどうよ?せめて入らないならバイトとかさ?」
放課後の公園、男2人でブランコに揺られている
この俺にお節介を焼くのは"佐久 篤弘"
友達のいない俺にとって唯一の友だと言える存在になるだろう
小学生からずっと一緒で腐れ縁みたいな関係だと思う
なにかと好奇心が旺盛なやつで流行にすぐに乗りたがる性分だ
「部活なんてめんどくさい、やってられない」
「つれないこというねー、ならバイトはどう?若いうちからお金を稼ぐ大変さを学べるしね」
「それは社会に出てから学ぶさ」
篤弘はやれやれといった表情でブランコを漕ぐのに勢いをつける
「そう言えばさ、雄花は聞いたことあるかい?」
「何をだ?」
また始まったと俺は思った、昔からこいつはそうだった、すぐに興味のあることがあると話さずにはいられない
興味のある事には何が何でも両足を突っ込んでいく訳だ
「この学校の七不思議って奴だよ!」
「七不思議?そんなのあるのか?」
バカバカしいと思いながらも篤弘に尋ねる
すると待ってましたかと言わんばかりの表情で得意げに奴は語り始める。
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