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校舎の端、特別棟の奥の一階の女子トイレの前まで辿り着く
「ここだここ、目的の女子トイレさ」
なぜか、篤弘はさっきまでとは違い小声で話す
「おい…もしかして入るつもりなのか……?」
いくら人がいないとは言え犯罪なのでは?と考えてしまう
「現場検証は鉄則だろう!」
ああそうか、最近は眼鏡をかけた少年が事件を解く映画がヒットしているらしいが、おそらくそれの影響だろう
しかし俺は篤弘を止める
「今更なんだが、そもそもその噂話のそのトイレに入った女子生徒は誰なんだ?」
「それがさー、僕も気になってどんどん話の発信源を辿ったんだけど、その子それ以来学校に来てないみたいでさ」
学校に来てない……まじかよ……大丈夫なのそれ?
急に大きな不安が襲いかかる
「やっぱ帰んねえか……?」
「ここまで来たら、確認しとかなきゃ!!」
俺は別に幽霊などは信じていない、むしろいるならば出てこい!とまで思っていたのだが、自分からは遭遇しに行こうとは思わない
危ない事には手を出さないのが1番だと思う、しかしもう今の篤弘を止められないだろう、トイレに入って行く篤弘の後をついて行く
「へぇー、ここが女子トイレか」
思ったより広く、そして便所特有の悪臭がする、あまり使われてないトイレなのだのだろう。掃除も行き届いてないように思える
月の光が窓から照らしているため、電気をつけなくても中の状況は分かるくらいに明るかった
「何もないだろうし早く行こうぜ見回りの人とかに見つかったら犯罪者だぞ俺たち」
篤弘の手を引っ張ってトイレを出ようとしたその時
1つだけ、個室の鍵が閉まってる事に気づいた
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