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当てもなく不満を並べていると、視界の端を何かが落下していった。
滑空する僕よりも高い崖から落ちた身体が、青いカーネーションで埋め尽くされた大地に一点の赤を残した。幸福の享受者として新天地に辿り着いたであろう誰かの身体が。
ほら、ちゃんと面倒を見ないから、また落っこちてしまった。
その光景が僕に刺激をもたらしたのは、ずいぶん前の話。
耳元を擦る風の向こうから聴こえるロックミュージック。飛行中に聴くにはいささか不吉な曲。気だるげな声でボーカルが繰り返す。
”わかってるのはそれだけ”
”わかってるのはそれだけ”
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