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第一回 ジェシーは最速の銃士(ガンマン)
俺は、ジェシー・クランス。西部一の早撃ち銃士。先の戦争では3桁の南軍兵士を撃ち抜いた。そんな俺と相棒のオリヴィア二世の前には敵はいねえ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
奴の右腕が動こうとした時、俺は撃鉄を起こしていた。
耳を劈く銃声。その僅か数コンマ後に奴の身体が吹っ飛び、砂煙舞いたつ乾いた街に倒れた。
歓声が挙がる。街の住人だった。
口々に、俺の名を呼び称える。
「ジェシー最高だ」
「ジェシー・クランスこそ、最速の銃士だ」
俺は相棒のオリヴィア二世を掌で弄んでホルスターに収めると、観衆に向かって肩を竦めた。
よせやい、本当の事を言っちゃ冗談にはならねぇもんだ。
倒れた男は、大鼻のカーストン。このセブンスポイントを牛耳る無法者の親玉である。
歳は五十二。死んだ親父と同じ歳だ。だからとて、何の感慨も無いが。
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