父さん、美味しいりんごを剥いてくれよ

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もう一人の姉さんとは、その日しか逢っていない。 今では名前も顔も思い出せない。 ただ、彼女が語った、親父の真実だけが記憶に残った。 俺は34歳になった。 兄が亡くなった年齢に並んだ。 結婚し、息子が一人いる。 親父の様な、あの家の様な家庭はつくりたくなかった。 盆と正月すら帰っていないが、嫁さんは、たまには帰省しようと言ってくれる。
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