父さん、美味しいりんごを剥いてくれよ

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病室には、人工呼吸器を付けられた老人がベッドに繋がれていた。 親父だ。 老け込んではいるが面影がある。 背中を丸め、椅子に座っているのは、白髪が増えたがお袋だろう。 担当医と面談し、治療方針を決めた。 そして、既に痴呆が始まっている事実を告げられた。 時折、心拍数を表示するモニターからアラーム音が聞こえ、ギクリとする。 結局一睡もできなかった。 が、親父は意識を戻した。 峠は越えたようだ。
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