【悪魔が書いた超・短編小説】

3/8
前へ
/8ページ
次へ
そのサイト名は… 『悪魔呼び出しサイト』 そのサイトを開いてみると、黒一色の画面に赤文字の文章が現れた。 『このサイトは悪魔を呼び出せます。 呼び出された悪魔は貴方の願いを一つだけ叶えます。 ただし、その代わり報酬を求めてきます。 ご希望の方は下のアイコンをクリックして下さい』 「……」 興味を覚えた俺は、画面下に有る菱形のアイコンをクリックしてみた。 と、 突如! 文字が消え、パソコン画面に青白い顔をした男の顔が現れた!! 『私を呼び出したのは、お前か?』 低い男の声が響く。 「へー。よく出来たCGだなぁ」 『CGではないぞっ!!』 男の目が吊り上がった! …え? 何で… こちらの声が、向こうに聞こえてるんだ? 俺は… 恐る恐る聞いてみた。 「あのー、もしかして… モノホンの悪魔さんですか??」 『うむ。私はモノホンだぞ』 マ、マジか…。 『お前の願いを申してみろ。一つだけ叶えてやろう』 「う~ん」 俺は少し考えた末… 一つのお願い事をしてみた。 「えっと…。 実は今、『花粉症』『オークション』『ニュース』『占い』の四つのお題全てを使って短編小説を書いてるんですけど、全く書けなくて…。代わりに書いてくれませんか?」 (よく考えたら、悪魔に『コンテストに優勝させて下さい』と願った方が手っ取り早かったんだけど、テンパってて思い付かなかった) 『よし。分かった! それで…報酬の事なんだが』 「あ、悪魔が欲しがる報酬って、確か死んだ後に魂を貰うってヤツですよね? 良いですよ。俺は生きてるうちに小説で成功したいんですもの!」 『い、いや…。 お前、まだ若いだろ。死んだ後の魂を貰うとなれば…私はこの先、何十年もの間、お前が死ぬまで待ってなきゃならん。 だからどうだろう。今回の報酬はお前の寿命を先に一年分だけ貰うって事で。 確かに寿命は一年縮まるが、今日明日どうこうなるって訳じゃないぞ』 「え?」 俺は、カナリ迷ったが… 「分かりました。それで良いです」 と、思い切って了解した。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加