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んな奴らと馴れ合うのは御免である。なので、私はいつも授業開始のギリギリに教室に入るようにしているのだ。
「はぁ~、やっとクソつまんねー授業終わった……」
放課後も私はせっせと美術室へと向かう。これでも私は優良美術部員なのだ。もっとも、他のメンバーはみんな大して顔も知らない幽霊部員だし、顧問も放ったらかしで滅多に顔を見せないから実質貸し切り状態である。周りの目からようやく解放されたので、また原稿を机の上で大っぴらに広げて作業が出来るようになり、私は再び集中して黙々と作業を続けるのであった。
「へぇーっ、久遠くんって漫画が描けるんだ。すっごーい! 完成したら是非とも見せて!」
「いや、私の腕ではまだまともに読めるかどうかも…………って! 誰だお前!?」
背後から掛けられた、突然の女生徒の声に私は仰天する。どうやら集中しすぎたらしく、人が美術室に入ってきたのにも気付かなかったみたいだった。
「もぉーっ、同じクラスになってから半年もたつのに、まだあたしのこと覚えてくれてないの? あたしはクラス全員はもちろん、久遠庸平くんのことも覚えているけどね。あ、ちなみにあたしの名前は田辺志帆だよ。気軽にシホっ
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