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ハイケイ
今日はトクベツな日なので、もう読んでもらえないお手紙をかきます。
お母さんが亡くなったのは、ぼくが中学2年生のときでしたよね。
それまで育ててくれてほんとうにありがとうございました。
ぼくはお父さんの顔を知りません。
それをきずかって、いっしょうけんめいぼくが悲しい思いをしないように、影になり、ひなたになり、守ってくれました。
ぼくが、小学校のときに、おなかがすいて食べたパンの包み紙をゴミばこで見つけた時には、どうしたのと聞いてくれました。
コンビニで買ったといったら、ウソつきはドロボウのはじまりだ、としかってくれました。ウチがどんなにビンボウでもまっとうに生きなさいと導いていただきました。
あの時は、よくわかりませんでしたが、40才になった今思うと、お母さんは大切なことをいっていたとジッカンしています。そのおかげで今日まで悪いことをしなくてすみました。お母さんのソンザイは涙がでるほどうれしいです。
お母さんは、朝からバンまで休みなく働いて私を育ててくれました。
タイヘンだったんでしょうね、自分は今、工場でいろいろな木工製品を作っていて、働いてお金をカセぐのが、どれだけタイヘンな事か身にシミています。
ほんとうは、働かなくてもいいのですが、ここの先生にムリを言って働かせてもらっています。
そして、カセいだお金をぼくのような、ビンボウなこどもたちに送ってもらっています。
こんなことができるのもお母さんのシドウのおかげです。
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