狂気

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ぼくのように愛がジッカンできなかった、同じようなキョウグウの子どもたちに少しでも、自分なりのキョウリョクをしてあげたいんです。 ごめんなさい、愛がなかったというのはマチガイですね、ぼくはお母さんから愛をいっぱい受けとりました。 思いだされるのは、ウラ山にオベントウを持って、二人でハイキングにいったときです。五月のゴールデンウィークに家に閉じこもってばかりじゃかわいそうだとお母さんが手作りのお弁当を作ってくれました。 でも、そのやさしさがその時はわかりませんでした、となりのミキちゃんがディズニーランドに行くときいて、ぼくも行きたいとダダをこねてしまいました。 あの時はごめんなさい。 でもお母さんはイヤな顔一つせず、ディズニーランドより、ハイキングの方がぜったい楽しいから行こうといって連れて行きました。 ふだんぼくの手をにぎる時間がないから、こういう時は二人っきりでいたいと、ほほえんでくれました。 あのお母さんのエガオが、今もわすれられません。 小学校2年生のおやこエンソクも、同じくらい思いでにのこっています。ずっと、ぼくの手をにぎってくれていました。シゴトを休んで来てくれました。 あたたかな日ざしの中、ぼくはウキウキしっぱなしでした。 ふだんあまりイッショにいられなかったので、イッショニいれた時間がなん才になっても忘れられません。 いつも涙がでそうになります。 お母さんとの思いでが、つぎつぎに頭にうかんできます。 ぼくの頭の中でお母さんはいつもタイヨウのようなほほえみで、ぼくを見つめてくれています。 お母さん、お母さん、お母さん、ぼくが中学校2年生の時に亡くなった、お母さん、お母さん、お母さん、神さま、もう一度だけお母さんに会わせてください。 神さまにお母さんに会わせてもらう、これが何も楽しみがない、ぼくが考えられる、せいいっぱいのファンタジーです。 でも、こんなことがばかり手紙に書いているとお母さんにまたしかられますよね。
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