第1章

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だが、 小鳥遊一は熱意と確信に満ちていた。 ここから人類の逆襲が始まることを………………。 「おりゃあああああああっ!!」 地下避難区画の地上付近である人里離れた山間部にて、 新兵たちの威勢のいい声が響き渡る。 それは鳥との実戦も含んだかなり本格的な訓練だった。 戦う相手はせいぜい、 スズメやハトレベルの雑魚だし、 むしろ今の山間部は奴らにとってエサとなる人間が少ないので、 敵も少なかった。 ちょうど天気もいいので絶好の訓練日和という訳である。 「遊糸弾っっ!!!」 例の全身を覆う微小管繊維スーツを着た新兵たちの指先から輪ゴム鉄砲のように糸の弾が一斉に放たれる。 それらは投げ縄のように弾がワイヤーが伸びていて、 鳥を捕えたり、 ムチのように広範囲へ叩きつけて攻撃できるという汎用性の高いものだった。 いわば、 スーツの素材そのものが防護服でもあり、 武器でもあるという代物だった。
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