第1章

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「すげぇ! たまごちゃん……!! もうあんなにスーツを使いこなしてる!」 中でも類まれな戦闘センスを発揮したのは卵 志帆(たまご しほ)という一人の女性戦士だった。 軒並みいる男どもよりも身体が軽く、 指先から即席で網を編んで放つ妙技まで使いこなしていた。 「”微小管繊維スーツ”。 これは人類史を塗り替えうる発明だ。 その糸は鋼鉄よりも頑丈で、 かつ、 伸縮性にも富み。 編み込まれた極小の鎖型導波管でもあるこの糸は電磁場をまとった制御で、 地磁気を利用して宙に浮く事すら可能だ。 その姿はまさしく、 鮮やかな蜘蛛のように空中歩行をし、 優雅に舞うクラゲのように獲物を絡めとる。
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