第1章

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鳥葬-bird strike- その悪夢のような事件が始まったのはちょうど小鳥 遊一(ことり ゆういち)が五歳の頃だった。 「キーン、 キーン、 ジャンボジェット機ー」 小鳥遊一は夏休みの北海道旅行の為に両親に連れられて関西国際空港に来ていた。 売店で飛行機の模型を買ってもらえたのでとても上機嫌である。 彼は元空軍パイロットだった大好きなじいちゃんの影響もあってか、 物心ついたころから飛行機が好きだった。 模型作りや図鑑鑑賞に明け暮れて、 子供でありながら飛行機の種類や名前を大人に語って聞かせられるほどのオタクっぷりである。 その中でも一番の宝物は彼が額に付けている、 かつて亡くなったじいちゃんの形見のでっかいゴーグルだった。
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